電線の許容電流 早見表|太さ別の目安と低減率の考え方
IV電線の許容電流の目安表と、管内収納時の低減率の考え方を整理します。
注意:許容電流は太さだけで決まらず、管内収納本数や周囲温度によっても変わるため、目安表の数値だけを覚えると低減率の考え方に対応できません。
- 許容電流は「太さ×条件」で決まる
- 低減率の考え方
許容電流は「太さ×条件」で決まる
電線の許容電流は、導体の太さだけでなく絶縁物の種類、電線管への収納本数、周囲温度によって変わります。筆記試験では、代表的な太さの基準値と、管内本数が増えると許容電流が低減される考え方が問われます。下表は学習の出発点として広く知られるIV電線(600Vビニル絶縁電線)の単線の目安です。実際の設計では電気設備技術基準の解釈とメーカー資料で確認してください。
| 導体(単線の直径) | 許容電流の目安 | 主な用途のイメージ |
|---|---|---|
| 1.6mm | 27A | 照明・コンセント回路で多用 |
| 2.0mm | 35A | コンセント回路等で多用 |
| 2.6mm | 48A | 容量の大きい分岐回路など |
| 3.2mm | 62A | 幹線に近い用途 |
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター(調査日:2026-11-05)。数値は本文の表に掲載した値を図化したものです。
低減率の考え方
同一の管内に電線を多数収めると放熱が悪くなるため、許容電流に低減率(電流減少係数)を掛けます。本数が増えるほど係数は小さくなる、という方向性をまず押さえ、具体的な係数は公式テキストの表で確認する進め方が確実です。当サイトの配線理論分野の練習問題では、この考え方を問う問題を収録しています。
データの掘り下げ:早見表の数値をどう読むか
早見表の数値(1.6mm=27A、2.0mm=35A、2.6mm=48A、3.2mm=62A)は、IV電線単線を気中に布設した場合の目安として広く知られる値です。ここで学習上重要なのは数値そのものより「太さが1段上がると許容電流がどれだけ増えるか」という階段の感覚です。1.6mmから2.0mmで27A→35A、2.6mmで48Aと、太さに対して許容電流は比例ではなく緩やかに増えます。これは発熱が導体の表面から逃げるためで、断面積の伸びほど電流を増やせない、という物理的な背景があります。
配線理論分野の練習問題W02は「許容電流は電線の種類・太さ・周囲温度で決まり、超えて使用してはならない」という原則を問う問題です。早見表の暗記とW02の原則はセットで使ってください。試験の判断場面では、表の値に管内収納の低減率を掛ける必要があるかどうかが論点になります。同一管内に収める本数が増えるほど放熱が悪くなり低減率は小さくなる、という方向性を押さえた上で、具体的な係数は公式テキストの表で引く、という二段構えが実務にも試験にも安全な使い方です。
ケース別の判断:数値を「そのまま使う」か「低減する」か
単独で気中に布設された電線の問題では、早見表の基準値をそのまま使う判断になります。電線管に複数本を収める条件が付いた問題では、基準値に低減率を掛けた値が許容電流になるため、表の値をそのまま答えると誤ります。問題文に管内本数の条件があるかどうかが分岐点です。分岐回路の遮断器選定と絡む場合は、W03の「分岐回路には配線を保護する過電流遮断器を施設する」という原則と合わせ、電線の許容電流以下で保護される関係になっているかを確認します。技能試験の材料選びで迷う場合は、許容電流そのものより施工条件で指定された太さを守ることが優先です。指定と異なる太さを使うことは、計算が合っていても施工条件違反として扱われます。
さらに掘り下げる:許容電流と遮断器・電圧降下の三つ巴
許容電流は単独で覚える数値ではなく、分岐回路の保護と電圧降下とセットで判断する値です。配線理論の練習問題では、W02が許容電流の原則、W03が分岐回路の過電流遮断器による保護、W01が電圧降下をそれぞれ確認しています。回路の設計判断は「負荷電流に対して電線の許容電流(低減後)が足りるか」「遮断器がその電線を保護できる定格か」「長さによる電圧降下が許容範囲か」という3つの確認の組み合わせであり、早見表の数値はその入口の1つにすぎません。
学習の進め方としては、早見表の4段の数値(27A・35A・48A・62A)を丸暗記する前に、太さと許容電流の階段の感覚を持ち、その上で問題文の条件(管内本数・周囲温度)が付いたときに低減の判断を差し込む訓練をしてください。数値を問う問題と、原則を問う問題(W02の形式)は出題のされ方が違うため、両方の形式で確認しておくことが得点の安定につながります。
よくある質問
IV電線1.6mmの許容電流はいくつですか
単線を気中に布設した場合の目安として27Aが広く知られています。ただし管内に複数本を収める場合は低減率を掛けるため、そのまま27Aまで流せるわけではありません。
2.0mmと1.6mmで許容電流はどれだけ違いますか
目安値では2.0mmが35A、1.6mmが27Aで、差は8Aです。太さの差のわりに電流の伸びが緩やかなのは、放熱が表面積に依存するためです。
低減率(電流減少係数)はなぜ必要ですか
同一の管内に電線を多数収めると互いの発熱が逃げにくくなり、絶縁物の温度が上がりやすくなるためです。本数が増えるほど係数は小さくなる方向で考え、具体値は公式テキストの表で確認します。
許容電流を超えて使うとどうなりますか
絶縁物の耐熱温度を超えて劣化が進み、絶縁不良や発熱による事故につながります。練習問題W02でも「超えて使用してはならない」ことが原則として確認されています。
周囲温度が高い場所ではどう考えますか
許容電流は周囲温度によっても補正が必要になる値です(W02)。基準値は標準的な周囲温度を前提とした目安であり、高温環境では同じ太さでも流せる電流は小さくなる方向で判断します。
技能試験で電線の太さは自分で選ぶのですか
技能試験では施工条件と支給材料で太さが指定されます。許容電流の知識は筆記試験の配線理論分野が中心で、技能では指定どおりの材料を使うことが欠陥回避の前提です。
許容電流の早見表は実務の設計にも使えますか
学習用の目安としては使えますが、実際の設計では電気設備技術基準の解釈とメーカー資料で確認することが前提です。布設条件や周囲温度による補正も必要になるため、早見表の値をそのまま設計値として流用しないでください。
許容電流の問題を解く前のチェックリスト
- 問題の電線がIV電線単線かどうかを確認したか
- 管内収納の本数など、低減が必要な条件が書かれていないか
- 周囲温度の条件が基準と異なる設定になっていないか
- 答える値が「基準値」なのか「低減後の値」なのかを区別したか
- 遮断器の定格と電線の許容電流の保護関係を確認したか
- 一般財団法人 電気技術者試験センター(調査日:2026-11-05)